離婚を防ぐ セックスレスを回避せよ (前編)

心の壁

「安定した家庭の運営」と、一見すると簡単そうに見えるこのお題。しかし、現実は違います。今回は、夫婦に大きくのしかかる問題「セックスレス」に切り込んでいきたいと思います。

ジャパンセックスサーベイの2020年度の調査によると「婚姻関係にあるカップルで51.9%がセックスレス」という衝撃的な結果が出ておりました。

「まぁしゃあないよね・・・」という声も聞こえてきそうですが・・・

いえ、これは危険です。特に「安定した家庭の運営」という観点においては「離婚」につながりかねないという危険性を孕んでいます。
実際「性的不調和」が理由で離婚に至るケースも散見されています。

「性的不調和」を離婚申立の理由に選択した割合
 ・男性・・・11.9%
 ・女性・・・6.6%

司法統計より(令和元年

更に離婚の理由には「異性関係」も入ってきます。夫婦間のセックスレスとの直接の因果関係は説明しづらいものの、異性関係のトラブルに何らか寄与しているのではないかと考えられます。

上記のデータから「安定な家庭の運営」という観点では意外と「セックスレス」は深刻なファクターなのではないかと思われます。

と、不安をあおるばかりではなんですので、ここからは「なぜセックスレスになるのか?」「どうすれば回避できるのか?」について深堀していきたいと思います。

なぜセックスレスになるのか?

セックスレスになる理由は色々なサイトに記事が載っておりますが、大別すると下記のような理由にわけられそうです。

  1. 意欲減退 : パートナーを性的対象に見れない
  2. 外部環境 : 仕事などで疲れている
  3. 目的消失:子供が出来たあとなんとなくレスに
  4. 機能障害:EDなどの理由がある

この中で、2と4に関しては「その要因を取り除けば復帰できる」というものですね。一方で1と3に関しては「わかったけど、じゃあどうすればいいの!?」となりそうな理由です。しかし、すぐに解決手法に移る前に、もう少し1と3を深堀りしてみましょう。

1.「パートナーを性的対象に見れない」のはなぜ?

こちらの理由に関しては、よくありがちですよね。はっきりいうと「パートナーを性的対象に見れなくなるのは自然な事」だと思います。しかし…よく考えてみると実は「性的対象に見る(見える)からセックスする」という定義自体が非常に曖昧であると思いますし、危険な考え方だと思います。結論から言うと「性的対象うんぬん」と「夫婦間のセックス」はまったく別物としてとらえるべき、です。

例えば男性の私目線で言うと「性的対象」に入る女性は妻も含めて沢山います。それは男性だから仕方がないでしょう。AV女優とかにしても「性的対象」に入るので、売れているのですよね。ここで言えることは「本人との関係値が0であっても性的対象に入りうる」こと。もう現時点で「夫婦関係」と「性的対象」を同じ軸上で扱うことに危機感を感じるのではないでしょうか。
また、逆に、両親や兄弟姉妹なんかは性的対象から外れますよね?おそらくいかに美男美女であっても、性的対象という枠からは家族は除外される。つまり「本人と関係値が近すぎると性的対象からは外れやすい」ということがわかります。

従って、明確なデータはありませんが「他人」の状態では「性的対象」だったパートナーが「恋人」となりやがて「家族」となっていき関係値を深めていく段階で「性的対象から外れる」ということはごく自然な流れなのかと思います。

ただ、これは「性的対象」という言葉をどちらかというと「出会った頃の高揚感」=「恋愛感情」で捉えている可能性があります。例えば、下記の記事。

恋をすると脳が活性化して「PEA(フェニルエチルアミン)」という脳内物質が分泌されることが知られています。PEAは意欲や集中力を高める「ドーパミン」という快楽物質の濃度を上昇させる働きがあります。その結果、好きな人と一緒にいたり、好きな人のことを考えたりすると、幸せで高揚した気持ちになり、ポジティブに毎日を過ごすことができるようになるのです。
 しかし、PEAの働きで増えたドーパミンは冷静さを失わせるため、普段ならしない注意や配慮に欠けた行動が見られることがあります。
 PEAやドーパミンはずっと分泌されるわけではありません。PEAの寿命は短ければ3ヶ月、長くて3年程度と言われています。「恋愛の賞味期限は3年」とよく言われるのはそのためです。PEAの効果が薄れてくるとともに、相手のことを冷静に見るようになります。そこで、これまでは気にならなかった嫌いなところが見えてきてしまい、関係が冷え切ってしまうことがあるのです。

恋愛は本能? 勘違い? 脳科学でわかる恋愛のメカニズム https://www.zwei.com/koisupple/15281.html

私は詳しくないのですが恋愛感情には脳科学的に持続期限があるかもしれません。特に「恋愛感情をベースとした本能的なセックス」を主軸にしているとすると、そのうち飽きがやってくるのは自然なことなのかもしれません。

逆に「性的対象とセックスしたい」すなわち「出会った頃の高揚感を得られるセックス」を求めた場合、それを解決する方法は・・・「他の人と恋愛するしかない」かもしれません。そうすると・・・そうです。夫婦関係は破綻へ向かうのではないかと思います。

つまり「性的対象に見れない」という、恋愛感情をベースとした本能的な判断を理由に掲げている時点で、かなり危険な方向に進んでいるのではないか、と思うのですよね。

・「関係値が深まると性的対象に見えなくなる」のは自然な流れ
・「性的対象うんぬん」と「夫婦間のセックス」はまったく別物

3. 「子供が出来たあとなんとなくレスに」なるのはなぜ?

これは理由は明白です。「セックスする目的がなくなったから」ですね。その根底には夫婦お互いに「そもそもセックスは楽しくはないが、子供を作るためだ」という考えがあったのかもしれません。これはもともと「外発的モチベーション(extrinsic motivation)」に基づく行為であったからで、その目的が失われた途端に行為をやめてしまいます。。。

まぁこれも無理はなくて日本の性教育・・・と壮大な話に行かなくても「上手にセックスする方法」なんて今まで誰も教えてくれたことがありませんよね。例えば脱童貞初期段階でスキルを重ねて・・・みたいな崇高な精神を持った男性は、中々いないと考えられます。恐らく「多くの夫婦はセックスは上手くない」はずです。

だからなんとなくですが内発的動機づけなく、ただ子作りとしてセックスを行っていたがゆえに、子供が出来たあとはなんとなくレスになる、という流れなのではないかと思います。

・「子供が出来たらなんとなくレスに」なるのは目的を失ったから
・ 目的を失うとセックスしなくなるのは、根本的にセックスが上手くないから

セックスする理由は変化する!?ステージ論を作ってみた

これはあくまで私の仮説なのですが、同じようにセックスをしていても、動機や目的が段階的に変わっているのではないかと思うのです。ざっくりわけてみると・・・

  1. 恋愛期・・・恋愛感情による本能的なセックス
  2. 結婚期・・・子供を得るために行う計画的セックス
  3. 安定期・・・??

という感じです。これはあくまでもんちゃんてき仮説なので、どこにも根拠はありませんが、なんとなーくいままでの経験則で上記のような感じなのではないかなぁと思うのです。

そうすると浮かび上がってくるのが「安定期」ってなんやねん、という疑問です。

そう!この安定期に入ると恐らく多くのカップルがセックスレスになるのではないかと思うのです。次回以降の記事では、安定期にフォーカスしまして、セックスレスを打破する方法に迫ってみたいと思います!それでは~!

・ セックスをする動機や目的はカップルの段階に応じて変わっている
・ 安定期の克服がセックスレス解消のカギ

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